別名<口腔(こうくう)乾燥症>と言われるドライマウスは、口の中が乾いた状態のことです。
ドライマウスになると、ものが食べにくい、口の中は傷つきやすい、話しにくいなどと、日常生活にも支障が生じます。
1日に約15リットルの唾液が分泌され、口の中を潤しているのが一般的ですが、ドライマウスは慢性的に唾液の分泌が低下しており、その原因には他の病気が隠れている場合もあります。
又、健康な舌の表面はザラザラとして薄いピンク色なのに対し、ドライマウスになった舌の表面は、ツルツルになり赤くなったりヒビ割れができたりするのです。
<ストレスによるもの>交換神経と副交感神経によりコントロールされる唾液の分泌ですが、リラックスしている時は水分の多いサラサラの唾液です。
これは、副交感神経の働きが強くその刺激によりタンパク質の含有量が少なくなる為です。
反対に緊張、不安、怒りなどからストレスがかかると、交換神経の働きが強くなりその刺激からタンパク質の含有量が増加し、水分の少ない粘ついた唾液が分泌される為口の中が渇くのです。
<加齢によるもの>年齢を重ねると唾液腺の働きが低下し、それに伴い唾液の分泌も低下します。
<筋力の低下によるもの>咀嚼(そしゃく)筋の筋力が低下すると、唾液の分泌も低下しがちです。
<薬の副作用によるもの>市販の風邪薬、抗うつ薬、降圧薬などを服用することで、ドライマウスとなる副作用が起こることがあります。
<糖尿病によるもの>高血糖になることで、尿の量が増えて喉は渇きやすくなります。
糖尿病が重症化すると、唾液腺は障害される場合もあります。
シェーグレン症候群とは、唾液腺や涙腺などの組織が、免疫の誤った認識により攻撃される自己免疫疾患の一種です。
それにより、唾液や涙などの分泌も低下します。
シェーグレン症候群と放射線障害により起こるドライマウスの処方箋は、<唾液分泌促進薬>を用います。
副交感神経を刺激することで、唾液の分泌を促してくれる内服薬なのです。
又、<人工唾液>を処方されることで、口の中を保湿することができます。
ドライマウスの主な症状には、以下のようなものがあります。
1つでも当てはまれば、ドライマウスの疑いがあります。
口腔外科やドライマウスに詳しい歯科などで受診する事をお勧めします。
※3ヶ月以上も口の中が乾いた状態になっています。
※口の中が粘ついた感じがします。
※ビスケットやパンなど、乾いた食べ物が食べにくくなっています。
※口臭があります。
※口の中が傷つきやすくなっています。
※口の端が荒れています。
※よく喉が渇いたり、就寝中に喉の渇きで目が覚めることがあります。
※目が渇いたり、皮膚が乾燥しています。
ドライマウスを発症年齢別に見ると、50?70歳代の女性に多く発症していることがわかりました。
10歳代?40歳代までは、男女ともにドライマウスの発症数はとても少なく、80歳代以降になると更にわずかな患者数となっています。
50歳?70歳代の男性においては、それ程多くの患者数にはなっていません。
口が渇き、日常生活に支障を感じたなら、口腔外科やドライマウス外来又はドライマウスに詳しい歯科などで検査を受けて下さい。
<唾液分泌検査>では、唾液の分泌量を測定します。
<刺激唾液検査>と<安静時唾液検査>の2種類があるドライマウスの検査です。
刺激唾液検査とは、ガムやガーゼを噛んで測定します。
安静時唾液検査とは、静かに座った状態で測定するものです。
又、他の検査としては、シェーグレン症候群など別の病気の有無を調べる為に血液検査をします。
<病理組織検査>といって、唇の唾液腺を採取して調べる検査や<エックス線検査>などを行うこともあります。
ドライマウスの原因はさまざまですが、糖尿病など病気から発症している場合はその病気の治療をします。
ストレスが原因でドライマウスになっている場合は、上手に気分転換を行いながらリラックスすることが大切です。
薬の副作用でドライマウスを発症しているのなら、処方した医師と薬の変更や量を減らすことなどを相談するとよいでしょう。
ドライマウスと診断されたら、あらゆる原因を取り除く事が重要です。
ドライマウスは口の渇きを補うことが大切です。
市販の口腔ケア用品を使用し、口の粘膜を保湿するとよいでしょう。
<スプレータイプ>は、口の中が乾いていると感じた時に数回使用します。
<ジェルタイプ>は、舌や指先を使い口の中に行きわたらせる保湿タイプです。
<液状タイプ>は、とろみがついた液をスプーンなどに取って口に入れます。
まんべんなく行きわたらせたら、余った液は吐き出す保湿剤配合先口剤です。
又、医療機関で作製される保湿装置での治療もあります。
医療機関でドライマウス患者の歯や口に合わせて作られる保湿装置は、歯に装着するタイプのものです。
装着することにより、唾液腺が刺激されて唾液が分泌しやすくなるものです。
粘膜が覆われて水分が蒸発しにくくなったりもします。
歯ぎしりによる咀嚼筋の疲労を防いで、開口時間を短縮させ唾液の蒸発を防ぐこともできます。
食事の時は外しますが、昼間の装着、夜の装着とドライマウス患者によりそれぞれとなっているようです。
噛む回数が少ないと唾液の分泌量も減ってしまいます。
軟らかいものばかり食べていると、噛む回数は少なくなりがちです。
あらゆる食べ物を取り入れることで、噛む回数を増やすように注意をする事が大切です。
又、ストレスも影響する為、十分な睡眠をとったり、適度な運動を行うことでストレスをためないよう心がけて下さい。
ドライマウスを防ぎ口の中を乾かさない為にも、外出時には水分補給できるよう飲み物を持ち歩いて下さい。
室内の湿度にも注意をはらい、呼吸をする時も口ですると渇きやすいので、鼻呼吸をしてドライマウスを防ぎます。
ドライマウスにより口の中に炎症が起きた時は、刺激物であるアルコールや香辛料などは控えるようにしましょう。